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2007.10/06(Sat)

砦を守り疲れた脚本家●砦なき者

皆、自分の心の砦を守り続けている。

Toride01.jpg
『砦なき者』

『ドラマ「砦なき者」 テレビ朝日オフィシャルサイト』

ひとりの女子高生が、ビジネスホテルの一室で自殺を遂げた。
その少女・古谷めい子(真木よう子)は、
前日、首都テレビの人気ニュース番組『ナイン・トゥ・テン』の特集企画の中で、
少女売春の元締めとして報じられたばかりだった。

『ナイン・トゥ・テン』のメインキャスター・長坂文雄(役所広司)は、
当初、この女子高生売春を追う特集に乗り気ではなかったが、
企画を担当した女性ディレクター・逢沢瑤子(鈴木京香)の
熱意にあおられて取り上げることにしたのだった。

すぐに競合の東洋テレビが、自殺した女子高生の恋人だという青年
・八尋樹一郎(妻夫木聡)に独占インタビューを行なった。
深い悲しみをこらえながら、報道によって死に追いやられた少女の無実を訴える八尋は、
テレビの前の視聴者から絶大な同情と共感を集め、
またたく間に有名カリスマ青年と化していった。

そして同時に、長坂は一斉に抗議の視線を向けられることとなり、
ニュースキャスターの座を追われた。

だがそれは、八尋によって綿密に計画された“完全犯罪”の序章に過ぎなかった…。 
一瞬のスキから、八尋の仕掛けた罠にはまってしまった長坂と瑤子。
しかし2人は、八尋がついた小さなウソ―学歴詐称―をきっかけに疑惑を抱き、
完全犯罪の全貌を暴いていく。

やがて、八尋の凶悪な過去が次々と明らかになって…!?

『砦なき者』 ウィキペディア(Wikipedia)

キャスト
長坂 文雄 - 役所広司:首都テレビニュース番組「ナイス・トゥ・テン」キャスター、52歳。
八尋 樹一郎 - 妻夫木聡:謎の青年、自殺した古谷めい子の恋人、23歳。
逢沢 瑤子 - 鈴木京香:首都テレビニュース番組「ナイス・トゥ・テン」ディレクター、30歳。
倉科 研司 - 内野聖陽:首都テレビ報道局専任部長、39歳。
有川 博文 - 大杉漣:首都テレビ報道局長、55歳。
進藤 安弘 - 六平直政:少女売春に関する情報提供者、55歳。
古谷 めい子 - 真木よう子:女子高校生、のちに自殺、17歳。
小林 久彦 - 田山涼成:首都テレビ広報局長、56歳。
森島 一朗 - 近藤芳正:首都テレビチーフプロデューサー、35歳。
広田 隆治 - 塩見三省:首都テレビ編成局長、57歳。
八尋 大樹 - 本田博太郎:八尋樹一郎の父親、故人、42歳。
八尋 綾子 - 筒井真理子:八尋樹一郎の母親。
小百合 - もたいまさこ:女将。
多島 芳之 - 岩松了:大学教授、59歳。
笠原 文子 - 銀粉蝶 ほか

スタッフ
原作:野沢尚「砦なき者」(講談社文庫刊) 
脚本:野沢尚
監督:鶴橋康夫
音楽:宇崎竜童「マリオネット」

【More・・・】

話としては所々に穴がありますが、一人のキャスターという人間が、
抜き差しならない状況に追い込まれ、自分の全てを掛けて立ち向かっていく姿に熱くなります。

ご存知の方もいるかもしれませんが、『砦なき者』の原作者で脚本家の野沢尚さんは、
次に取り掛かった、NHKの「21世紀スペシャル大河ドラマ」と銘打った、
司馬遼太郎原作の、『坂の上の雲』の脚本を執筆中に、自ら命を絶ちました。

野沢尚氏は、『結婚前夜』、『眠れる森』で向田邦子賞を取り、
次の『氷の世界』で、彼は酷評されました。

WorldOfIce01.jpg
『氷の世界』

『氷の世界』を作品として評価すると、犯行の手口や推理に穴があり、
理由付けとしては、「あとのせ、サクサク」感は否めませんでした。

でも、最終回直前の回までの盛り上がりは物凄く、
『パーフェクト・ストレンジャー』も、『氷の世界』から学んで欲しいくらいでした。

『氷の世界』は、木村拓哉と中山美穂の、『眠れる森』が好評だっただけに、
『眠れる森』と同じ、あるいは『眠れる森』以上のグレードを求める者達で、
放送終了後の公式サイトの掲示板は荒れました。

『氷の世界』の後に、『眠れる森』だった場合、あそこまで荒れなかったと思います。
そして公式掲示板に、野沢尚氏は登場しました。

当初は、無責任に不満を言う者達のたまり場と化している場所に、
野沢尚氏本人が来るとは考え難く、『氷の世界』擁護者が、
野沢尚氏の名を騙って、書き込みをしていると考えらました。

掲示板で野沢尚氏は、無記名の者達に蹂躙されました。
彼なりの誠実さが、あだとなった訳です。

・・・話を、『砦なき者』に戻します。

ドラマの終盤、野沢尚氏の分身とも思われる、主人公の役所広司が、
カメラの前で視聴者に向かって語ります。

ドラマには、原作には無いセリフが追加されていました。
野沢尚氏が自殺した後に、話題になったので、ご存知の方もいるかもしれません。

以下は、抜粋です。

・・・さて、このカメラの向こうの視聴者は、一千万人だろうか?
話題になれば、二千万人だろうか?

今、あなた達は何をしていますか?
会社の残業を終えて、帰ってネクタイを緩め、
缶ビールを開けて椅子に座り込んで、
私たちのチャンネルに合わせた所ですか?

運が良ければ、これからあなた達に、
一つの映像を送り届ける事ができます。

私は最後の最後まで、
あなたたち視聴者の正体を掴み損ねた。
あなたたちは、謎の存在だった。
暗闇の中で標的を探して、いくら引き金を引いても、
命中したようには思えなかった。
それが私にとって、テレビ30年の真実でした。


もう、多くは望まない。
「1時間も、2時間も、見つめていてくれ!」とは言わない。
これからの、たった5分でいい。

私を、見届けてくれないだろうか。
そして、考えてくれないだろうか。

・・・グッバイ!

野沢尚氏は、NHKの『坂の上の雲』の執筆中に命を絶ち、
自殺の理由は明かされていませんが、私自身は、
NHKのスタッフとの、脚本上のダメ出し等のやり取りで、
野沢尚氏が、想像以上に精神的に参ってしまったんじゃないかと思います。

野沢尚氏に言った方は、それほど深い意味じゃなくても、
言われた野沢尚氏にとっては、
「戦友だと思ってたお前から、そのセリフは聞きたくなかった」と思う様な衝撃を受け、
『砦なき者』で追加したセリフを、独りで事務所にいる時に思い出し、
発作的に自らの命を絶った様な気がします。

『パーフェクト・ストレンジャー』で、
「人は誰でもタイミングが合えば、殺人を犯すことができる」
というセリフがあった様に思いますが、野沢尚氏は、不幸なタイミングが揃ってしまい、
自分を殺すという選択肢を選んでしまったんだと思います。

・・・もちろん、これらは私の勝手な推測であって、真相は野沢尚氏にしか分かりません。

ただ、周りの誰かに愚痴ったり、悩みを打ち明けられなかったのかと悔やまれます。

クリエイターは常に孤独です。
産み出す作品の全てが、良作な人はいません。
今をときめく、東野圭吾でも作品にはムラがあります。

しかし、野沢尚氏の作品には、星の数ほどいる作家と同じ様に、
「楽しませよう」という考えで書かれていますが、
「観客の誰かを犠牲にしてでも楽しませよう」という考えはありません。

野沢尚氏の作品には、不倫に走る人間の弱さや、殺人を犯してしまう人間の愚かさを、
優しく見つめる真摯さと誠実さがあったように思います。

野沢尚氏が、どんな考えで脚本に取り組んでいたのか、
よく分かる記事を書かれているブログを発見したので、
アドレスを載せておきます。

お時間のある方は、リンク先の記事も読まれると良いですよ。

Shoさんのブログ 『波の音を聴きながら』 レビュータイトル「野沢尚」

『あとのせ、サクサク●パーフェクト・ストレンジャー』

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テーマ : ドラマ - ジャンル : テレビ・ラジオ

02:17  |  ドラマ  |  TB(2)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

●野沢尚作品と言えば・・・

Prismさん、こんばんは☆

野沢尚作品と言えば『ネット・バイオレンス』(1998年:NHKドラマ)が
当時ドラマ関連の掲示板で議論になっていたのを思い出しました。
(私は『ネット・バイオレンス』は未見です。)

野沢尚は不倫愛や社会派サスペンスというシビアな題材を描くことが多かったので、
それゆえの様々な葛藤もあったのでしょうね・・・。
BC | 2007.10.18(木) 02:18 | URL | コメント編集

●>コメント返信

> BC さん

本文中には書きませんでしたが、
>脚本のダメ出しが切っ掛け
と書いたのにはそれなりの理由があって、
脚本家のタマゴである知り合いと話す機会があった時に、
野沢尚氏の『坂の上の雲』は、NHK側の意向に合わなくて、
別の脚本家を入れて書き直しをするらしいと聞きました。

やはり、自分が直接NHK関係者に聞いた話でない事と、
知り合いが知った情報元が分からないので、
自分の個人的な推測から書いた形を取りましたが、
自分はNHKが発表した、
「亡くなったので別の脚本家に補筆を頼んだ」のではなく、
「別の脚本家に書き直しする事に決めたから亡くなった」と推測しました。

21世紀スペシャルドラマと銘打った作品の脚本は、
取材、準備、執筆に何年も時間を掛けた作業だったと思います。

野沢尚氏クラスの脚本家になれば、
例え、別の脚本家に書き直されてもギャラは発生しますし、
以後の仕事が無くなる事もありえません。

でも、何年も掛けて仕上げた、言わば、『自分の分身』を、
NHKの知り合いに否定され、別の脚本家の手が入るというのは、
同士として信頼していた人に、
裏切られた気持ちになったのではないかと思えました。

BCさんが、ヨン様ファンの友達と仲良くなって、
話も気も合う関係だと思った友人に、
自分のブログを見せたら、「ヨン様の魅力が書けていない」といわれ、
1ページ目から現在まで、全部ヨン様の記事を書き直されたら、
相当なショックを受けませんか?

若い時なら立ち直れるかも知れませんが、
テレビに30年携わって、同士と思っていた人にやられたら、
「俺が目指したものは何だったのか・・・」と、
思いつめてしまったんじゃないかと思いました。

BCさんの言う通り、様々な葛藤を抱えていて、
ちょっとした切っ掛けで、糸が切れてしまったんだと思います。

「ネット・バイオレンス」で検索して、ヒットした記事を読みました。
整合性としては穴があったようですが、
作品のテーマは深い所を突いていたみたいですね。
観る機会があったら、観てみたいと思いました。

検索中に、野沢尚氏の「ネット・バイオレンス」の記事を見つけました。
このコメントのURLにアドレスを載せておくので、
気が向いたら読んでみてください。

・・・チョット長いコメント返しになっちゃいましたねw
Prism | 2007.10.18(木) 10:48 | URL | コメント編集

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「砦なき者」(TVドラマ)

「砦なき者」(TVドラマ)製作年度: 2004年 製作国・地域: 日本 上映時間 :105分 監督 :- 製作総指揮 :- 原作 :野沢尚 脚本: 野沢尚 音楽 :宇崎竜童 出演もしくは声の出演 :役所広司 、妻夫木聡 、鈴木京香 、内野聖陽 、大杉漣 、六平直政 、真木よう子 、
2007/10/06(土) 22:25:54 | 建築士のつぶやき

『 砦なき者 』

 砦なき者 ドラマ 『 砦なき者  』   [DVD鑑賞]2004年:テレビ朝日開局45周年記念ドラマスペシャル監 督:鶴橋康夫脚 本:野沢 尚原 作:野沢 尚  野沢 尚 砦なき者 [ キャスト ] 役所広司  妻夫木聡  鈴木京香  内野聖陽大杉 漣  六平直政 
2007/10/06(土) 02:29:29 | やっぱり邦画好き…
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