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2007.06/28(Thu)

悲劇の中でも恵まれた事件●手紙

「差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ――」

Tegami01.jpg
『Letter』

武島剛志は、高校3年生の弟である直貴が安心して大学へ行けるような金が欲しくて、
家宅侵入・窃盗を行なうが、家の住人に見つかり結果殺人を犯してしまう。

そのために直貴は「強盗殺人犯の弟」という目で見られ続けて、世間の壁を感じ、
さらにそれが、何をやるにも足かせとなった。
その度に彼の想いは揺れる。
公表、隠蔽、絶縁、寂寥、哀憐と…。

刑務所に入っている兄ととれる、唯一のコミュニケーションが手紙だった。
それが疎ましくても懐かしくても。
犯罪加害者の親族の視点に立って、その心情の動向を丹念に追った作品。

原作は、「毎日新聞」日曜版に連載され、2003年に毎日新聞社から刊行された、
東野圭吾の同名小説。
第129回直木賞の候補作にもなった。

『手紙』 ウィキペディア(Wikipedia)

監督は、生野慈朗。
脚本は、安倍照雄、清水友佳子。

武島直貴役、山田孝之。
兄と2人暮らし。のちに人生の転機を迎えるたびに兄の犯罪が付きまとい…。

武島剛志役、玉山鉄二。
弟を大学に行かせようと思い金ほしさから強盗殺人事件を犯してしまう。
弟を思う気持ちから刑務所から手紙を書き続けるが…。

白石由美子役、沢尻エリカ。
直貴に一方的にアプローチする一方、精神的支えとなる。
彼女もまたある事情を抱えていた。

中条朝美役、吹石一恵。
直貴の恋人。

寺尾祐輔役、尾上寛之
直貴の友人で、お笑いコンビ「テラタケ」を結成する。

倉田役、田中要次。

緒方忠夫役、吹越満。
剛志の犯罪の被害者の息子。

中条(朝美の父)役、風間杜夫。
平野(電器店会長)役、杉浦直樹。

主題歌は、高橋瞳の「コ・モ・レ・ビ」
挿入歌は、小田和正の「言葉にできない」

【More・・・】

原作で弟が目指したのは、お笑いではなくバンドの設定で、
慰問に訪れた刑務所で歌おうとするけど、祈るように、謝るように、
手を合わせて泣いている兄の姿を見て、歌い出せないという所で終わります。
歌おうとした曲は、ジョン・レノンの『イマジン』です。

偏見や差別と戦った弟の心情を代弁するかのような曲ですが、
洋楽の有名曲は、映画での使用料が高い為、設定を変えたのだと思われます。

お笑いに設定を変更したのは、苦肉の策だったとしても、
過酷な状況で、「お笑い」を目指すという対比が効いていて、
思ったほど悪くなかった様に思います。

「劇中の二人が演じるネタは面白くないし笑えない」
というコメントをする知り合いもいましたが、
そもそも設定はお笑いでも、『手紙』はお笑い映画ではないですし、
笑えるに越した事はないですが、笑えなくても作品の主題が変わる事はないと思います。

・・・というか、映画をしっかり見てたら、劇中で主人公がどんなネタを演じたとしても、
笑えない様な気がします。

深刻な現実 → 笑いのネタ → 過酷な差別 → 笑いのネタ

映画の登場人物の心情を追っていると、
映画の流れで「笑いのネタ」の部分を爆笑するのは、少々難しいように思います。

現実の芸能界も、お笑いに限らず、芸能人はテレビに写る部分だけ頑張って、
現実は頑張った反動で、結構、無口で暗い人が多いと言われています。

しかし、映画『手紙』で描かれている事件や関係者は、現実の事件と比べると、
ずいぶん恵まれている様な気がします。

映画『手紙』では、加害者も事件を悔い、被害者も赦します。
現実は、加害者が罪を悔いるのは、「死刑」を眼にした時に悔いるだけです。

実際、『親切なクムジャさん』のレビューでも触れましたが、母子レイプ殺人を犯した未成年者が、
罪を悔いる様子を見せたのは、「死刑」を目の前にした「打算」のみです。

ぜひとも、東野圭吾氏に『返信』として、現実に即した、
罪を悔いない人達の物語を書いて貰いたいですね。

・・・でも、罪を悔いない人の話は、物語として成立し辛いのも知っていますw

『色褪せぬ曲、色褪せ続ける世界●ジョン・レノン 「イマジン」』

『親切な復讐の先にあるモノ●親切なクムジャさん』

『か細い橋は朽ちていなかった●ゆれる』

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●前向きな笑い

Prismさん、こんばんは☆
トラックバック届きましたよ。(*^-^*

私見ですが・・・
『手紙』の笑い(特にラストの慰問漫才)に関しては
辛い現実をあざ笑う“後ろ向きの笑い”ではなくて、
弟が兄の存在を受け入れる事が出来た“前向きな笑い”のような気がするんですよ。
だから、それを観て胸が熱くなって涙ぐみながらも素直に笑えたと言うか
微笑む事が出来た観客が居ても良いんじゃないかな?
もちろん、それを笑えないという観客の感性もアリだと思うし、
感じ方は観客の自由だと私は思うんですよね。

>ぜひとも、東野圭吾氏に『返信』として、現実に即した、
罪を悔いない人達の物語を書いて貰いたいですね。

同意です。
映画『レイクサイドマーダーケース』(この映画の原作は未読ですが)も
親の考え方が身勝手すぎて、言い訳がましく思える節があったしなぁ~。
BC | 2007.07.01(日) 20:38 | URL | コメント編集

●>コメント返信

> BC さん

>辛い現実をあざ笑う“後ろ向きの笑い”ではなくて、
>弟が兄の存在を受け入れる事が出来た“前向きな笑い”のような気がするんですよ。

もちろん、おっしゃる通りです。
私自身も、お笑いのシーンでは表情が緩みましたし、ラストで弟が兄に伝える様に
「兄ですから・・・」と言うシーンには、胸に来ました。

そう思っていたのですが、私の周囲で、
「笑えな~い」とか、「泣けな~い」という人が居たので、
『手紙』を観ても、『ダイ・ハード』の様な、
娯楽作品を見るような感想しか出ないのか!?と思ってしまい、
若干、筆が走ってしまいました(苦笑)

『手紙』に限らず、どんな感想を持つ人が居ても良いとは思っているのですが、
なんだか呆れと、憤慨でお見苦しいレビューになってしまいましたね(汗)

・・・実は、これでも修正した方で、
修正前は、もっと呆れと憤慨をあらわにしたレビューでした(滝汗)
Prism | 2007.07.02(月) 02:26 | URL | コメント編集

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