2007.10/13(Sat)
ラストの解釈は愛の本質●ことの終わり
エゴという名の純愛。


『The End of The Affair』
1946年のロンドン。
作家であるベンドリックスは、雨の降る晩に、ずぶ濡れの旧友と再会し、
妻のサラが浮気しているらしいと聞き、
かつてサラと不倫関係にあったベンドリックスは嫉妬を感じる。
サラとの不倫の恋は、2年前の夏に突然終わった。
二人で密会していた建物が爆撃を受け、
気絶していた彼が覚めると、サラは彼の前から去ってしまった。
サラを忘れられない彼は探偵に調査を依頼し、夫でもなくベンドリックスでもない、
第三の男の存在を知る・・・。
キャスト
レイフ・ファインズ:モーリス・ベンドリクス
ジュリアン・ムーア:サラ・マイルズ
スティーヴン・レイ:ヘンリー・マイルズ
イアン・ハート:パーキス
監督と脚本は、 『クライング・ゲーム』、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の
ニール・ジョーダン。
◆このレビューは、ネタバレになってしまうので、
『ことの終わり』に興味が沸いた方は、以後の文章は読まないで下さい。
これは、アン・ハッピーエンドになるんだろうか?
それとも、ハッピーエンドになるんだろうか?
不倫に限らず、恋愛は突き詰めて言うと、お互いのエゴのぶつかり合いになります。
自分から好きという気持ちを伝えるのも、自分の中で相手の勝手な理想像を思い描いて、
理想の相手に自分を受け止めて欲しいというエゴです。
逆に、好きと告白されて付き合うのも、自分の寂しさ埋める為や、
一緒にいて楽しい思いをしてもイイという、一種のエゴと言えるのかもしれません。
相手の行為に「愛」を感じたとして、相手にとって深い意味はなく、
本人にとって一種の思い込みであっても、愛されていると感じる事が救いとなるのであれば、
本人にとって、かけがえの無いものなのでしょう。
また、相手から拒絶されたと思い込み、「愛」が無いと勝手に感じてしまうのも、
また真実なのかもしれません。
愛と言うのは情熱であるけど、情熱が冷めた時に、相手に新たな愛を見つけるか、
相手を捨てるかによって、当事者の人間性が出るんでしょうね。
『ことの終わり』は、上に挙げた例の後者の方で、
爆撃を受けて気絶しているベンドリックスを死んだと思い、
「彼を助けてくれたら、彼から身を引きます」と神に祈ります。
ベンドリックスが目を覚まし、サラは自分の立てた誓いに苦悩する事になります。
ラストは、ベンドリックスの視点で見れば、アン・ハッピーエンドであって、
サラの視点で見れば、ハッピーエンドになります。
・・・でも、逆の解釈もアリだよなぁ。
愛というものが多面体である以上、どちらか一方の解釈では、
割り切れない想いが残るのは、仕方のない事なのかもしれません。
視点の置き所によって、色々な解釈に変わる作品です。
ラース・フォン・トリヤーの『奇跡の海』は、
『ことの終わり』の原作を基にしたような気がするなぁ。


『Breaking The Waves』
『奇跡の海』は、『ことの終わり』よりも重いです。
『ことの終わり』のニール・ジョーダン監督は、『ブレイブ ワン』も監督しています。
『暴力という名の勇気は認められるか●ブレイブ ワン』


『The End of The Affair』
1946年のロンドン。
作家であるベンドリックスは、雨の降る晩に、ずぶ濡れの旧友と再会し、
妻のサラが浮気しているらしいと聞き、
かつてサラと不倫関係にあったベンドリックスは嫉妬を感じる。
サラとの不倫の恋は、2年前の夏に突然終わった。
二人で密会していた建物が爆撃を受け、
気絶していた彼が覚めると、サラは彼の前から去ってしまった。
サラを忘れられない彼は探偵に調査を依頼し、夫でもなくベンドリックスでもない、
第三の男の存在を知る・・・。
キャスト
レイフ・ファインズ:モーリス・ベンドリクス
ジュリアン・ムーア:サラ・マイルズ
スティーヴン・レイ:ヘンリー・マイルズ
イアン・ハート:パーキス
監督と脚本は、 『クライング・ゲーム』、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の
ニール・ジョーダン。
【More・・・】
◆『ことの終わり』には作品の生命線と言える、ねたばれがあります。◆このレビューは、ネタバレになってしまうので、
『ことの終わり』に興味が沸いた方は、以後の文章は読まないで下さい。
これは、アン・ハッピーエンドになるんだろうか?
それとも、ハッピーエンドになるんだろうか?
不倫に限らず、恋愛は突き詰めて言うと、お互いのエゴのぶつかり合いになります。
自分から好きという気持ちを伝えるのも、自分の中で相手の勝手な理想像を思い描いて、
理想の相手に自分を受け止めて欲しいというエゴです。
逆に、好きと告白されて付き合うのも、自分の寂しさ埋める為や、
一緒にいて楽しい思いをしてもイイという、一種のエゴと言えるのかもしれません。
相手の行為に「愛」を感じたとして、相手にとって深い意味はなく、
本人にとって一種の思い込みであっても、愛されていると感じる事が救いとなるのであれば、
本人にとって、かけがえの無いものなのでしょう。
また、相手から拒絶されたと思い込み、「愛」が無いと勝手に感じてしまうのも、
また真実なのかもしれません。
愛と言うのは情熱であるけど、情熱が冷めた時に、相手に新たな愛を見つけるか、
相手を捨てるかによって、当事者の人間性が出るんでしょうね。
『ことの終わり』は、上に挙げた例の後者の方で、
爆撃を受けて気絶しているベンドリックスを死んだと思い、
「彼を助けてくれたら、彼から身を引きます」と神に祈ります。
ベンドリックスが目を覚まし、サラは自分の立てた誓いに苦悩する事になります。
ラストは、ベンドリックスの視点で見れば、アン・ハッピーエンドであって、
サラの視点で見れば、ハッピーエンドになります。
・・・でも、逆の解釈もアリだよなぁ。
愛というものが多面体である以上、どちらか一方の解釈では、
割り切れない想いが残るのは、仕方のない事なのかもしれません。
視点の置き所によって、色々な解釈に変わる作品です。
ラース・フォン・トリヤーの『奇跡の海』は、
『ことの終わり』の原作を基にしたような気がするなぁ。


『Breaking The Waves』
『奇跡の海』は、『ことの終わり』よりも重いです。
『ことの終わり』のニール・ジョーダン監督は、『ブレイブ ワン』も監督しています。
『暴力という名の勇気は認められるか●ブレイブ ワン』
- 関連記事
テーマ : 忘れられないあのシ-ン - ジャンル : 映画
>エゴという名の純愛。
あぁ、これに尽きますね!この映画。
特にベンドリックスのほう。
サラは、あの時点で自分を"神"にゆだねたのでは...と、私は思いました...。
シンプルなストーリーのようで、お互いの視点と気持ちを見せてくれて、実に面白かったです。
あぁ、これに尽きますね!この映画。
特にベンドリックスのほう。
サラは、あの時点で自分を"神"にゆだねたのでは...と、私は思いました...。
シンプルなストーリーのようで、お互いの視点と気持ちを見せてくれて、実に面白かったです。
あん | 2009.08.02(日) 23:44 | URL | コメント編集
こんにちは。
> サラは、あの時点で自分を"神"にゆだねたのでは...と、私は思いました...。
“神”も罪な男です(苦笑)
幸せの置き所で、色々な解釈ができる作品でしたね。
> サラは、あの時点で自分を"神"にゆだねたのでは...と、私は思いました...。
“神”も罪な男です(苦笑)
幸せの置き所で、色々な解釈ができる作品でしたね。
Prism | 2009.08.03(月) 12:49 | URL | コメント編集
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
暑中 お見舞い 申し上げます~ 今年もぎんぎんに暑くなりそうですね
ハリー・ポッター以降、映画観てないし...ハリポタの本をずっと読んで...
2009/08/03(月) 22:43:16 | 描きたいアレコレ・やや甘口
別離の理由は・・・
2009/07/31(金) 22:12:48 | 悠雅的生活
もう一度、あなたのことを抱きしめたい。
2009/06/16(火) 16:53:52 | Addict allcinema 映画レビュー
コチラの「ことの終わり」は、原作がグレアム・グリーンの「情事の終わり」という自伝的と言うか実体験をモトにした恋愛小説を、ニール・ジョーダン監督が映画化したちょっとサスペンス風のラブ・ロマンス映画です。 作家のベンドリックス・モーリス(レイフ・ファイ....
2007/10/16(火) 22:51:13 | ☆彡映画鑑賞日記☆彡
| BLOGTOP |