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2009.02/25(Wed)

表裏“同”体●誰も守れない & 誰も守ってくれない

俺に、人を守れるのか。
あなただけは、信じている。   (公式キャッチコピー)


『誰も守ってくれない』

誰も守ってくれない - goo 映画

幼い姉妹の殺害事件で未成年の容疑者が逮捕される。
その瞬間から容疑者の家族は、マスコミや世間の目を避けるため警察の保護下に置かれ、
中学生の妹・船村沙織の担当は刑事の勝浦に任される。

ホテルや自宅アパート、友人のマンションを転々とするが、
マスコミの執拗な追跡に行き場を無くした勝浦は、
かつて担当した事件の被害者家族が営む伊豆のペンションに身を寄せる。

そこへ沙織のボーイフレンドが駆けつける。

監督
君塚良一

出演
佐藤浩市
志田未来
柳葉敏郎
石田ゆり子
佐々木蔵之助
佐野史郎
木村佳乃

【More・・・】

HDにテレビ放送を撮っておいて、
長らく放置していた、『誰も守れない』を観ました。

近い時期に撮っていた、『善き人のためのソナタ』は録画失敗・・・。
電波の安定しない山間部にとって、地デジも考えものだなぁ(苦笑)

『誰も守れない』を鑑賞後、劇場の上映が終了する前に、
なんとか 『誰も守ってくれない』 を観る事が出来ました。

『7つの贈り物』じゃなく、『誰も守ってくれない』を見て正解だったなぁ。
思っている以上に、深い話だったというのが最初の感想。

◆以下の文章には、『誰も守れない』 & 『誰も守ってくれない』のネタバレがあります。

『誰も守れない』という作品は、被害者家族の保護を描いた作品で、
『誰も守ってくれない』という作品は、加害者家族の保護を描いた作品です。

表の話として描かれているのは、被害者家族と加害者家族の話ですが、
裏の話として、2作品を通して描かれているのは、刑事である勝浦の話です。
・・・というか勝浦の話が、脚本家でもあり、監督でもある君塚良一の描きたかったモノ。

『誰も守れない』では、頭を殴られた被害者であり、
警察で保護しているというスタンスでありながら、ベットで寝ている状態であっても、
捜査の名目で政府高官の過剰接待疑惑を追及します。

『誰も守ってくれない』では、加害者家族の保護というスタンスでありながら、
兄の犯行の証明をさせる為に、
未成年者の妹に高圧的な態度で取り調べます。

警察にとって、捜査という優先順位の前には、
被害者保護も加害者保護も後回しになります。

それは勝浦が、上司の捜査方針に従って容疑者を泳がせ、
市民を巻き込む事件の責任を取らされた3年前の事件から、
警察は何も変わっていない訳です。

警察に限らず、善悪の判断は非常に曖昧です。

勝浦の相棒である三島は、シャブ中毒にさせられ、
シャブ欲しさに勝浦を言葉のナイフで傷付けます。

被害者家族を代表する、ペンションのオーナーは、
行き場の無い想いから、勝浦に「アンタの顔なんて見たくもない」と傷付けます。

新聞記者の梅本は、スクープ欲しさに3年前の事件を持ち出し、
勝浦を苦しめます。

加害者の妹である船村沙織ですら、ファミレスで3年前の事件の事を知り、
勝浦に非難めいた視線を送ります。

勝浦自身も、未成年である沙織からの視線に耐え切れなく、
「勝手にしろ!」と突き放します。

捜査の為には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。
シャブで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。
息子を殺され・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。
事件を調べるには・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。
自分を保護している人の過去を知り・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。
終わった事件を保護している人間から責められ・・・仕方がなかった。

上の言い分が通るのであれば、ネットで書き込みをしている人間の、
「被害者家族の事を思えば、断罪したいという気持ちを止められず、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方がなかった。」
という言い分も通ってしまいます。

何が善であり、何が悪なのか。

簡単に、「法律」を善悪の線引きに出せば、
グレーゾーンが存在し、その先には「捕まらなければ善」という結論があり、
ネットの書き込みも、捕まらなければ大丈夫と言う考えに辿り着きます。

つまり、善悪の判断を「法律」にしてしまえば、
捕まらなければ何をやっても良い事になります。

オレオレ詐欺、引ったくり、殺人だって、捕まらなければやっても良いとなると、
善悪の判断であった筈の、法律が形骸化となって、怖ろしい社会しか残りません。

『誰も守ってくれない』では、匿名を利用したネットの過剰な個人情報の垂れ流しや、
好奇心でカメラを構える市民を描いていますが、実際に起こる事。

阪神大震災や、渋谷のガス爆発では、救命活動の横で、
携帯のカメラで撮影する人が少なくなかったそうです。

沙織の彼の事でも、昔、アイドル予備軍の女子高校生が、
自分で放火した画像を自分のブログにアップして、
「こわぁ~い」と言っていた事件がありました。
捕まって刑務所で、「私の人生は終わった」と言って自殺未遂をしましたが、
一命は取り留めました。

カメラを構える人間も、自己満足の為に一線を越える人間も、
今は少数であっても確かに存在します。
客観的に見ると滑稽なんですが、
「アリエナイよ」と笑って流せない時代になっている気がします。

監督である君塚良一の作品である、『踊る大捜査線』や、
監督作である、『MAKOTO』、『容疑者 室井慎次』を見れば、
ドラマの流れに沿って、観客を誘導する演出も出来たけど、
被害者と加害者という作品のテーマを考えれば、
観客に考えさせる為に、少し客観的に演出した事は正解。

『誰も守れない』では、「成果が現れない無力さを感じても、人の話を聞くという事」
『誰も守ってくれない』では、「人の痛みを感じるのは辛いけど、それが生きていくという事」

勝浦は、容疑者の妹である沙織に伝えると同時に、
3年前の事件を思い出す度に、手が震えている自分に向けていった言葉。

3年前の事件を上司のせいにせず、自分が受け入れる覚悟をした時に、
勝浦の手の震えは止まるんじゃないかな。

君塚良一が描きたかったのは、被害者は加害者でもあり、
また、加害者は被害者でもある。

ネットの向こうにいる傍観者は当事者にもなり、
全ての人にとって、相手の話を聞く事と、
人の痛みを感じることの大切さを描いています。

勝浦を補足する為のキャラクターが、相棒でありシャブ中にもなった三島。

スグに意味も無く引き出しを開けるという行為は、
三島のキャラクター付けの為に作られた訳ではなく、
ネットの向こう側にいる悪意の無い、
単なる好奇心の延長である人間を描いたもの。

散々煽ったネットの住人も、三島の様に外見はヤクザであっても、
仕事は普通にこなし、上司である勝浦に羨望と妬みの意思を持ちながら、
いろんな事に好奇心を持ちながら、日々を生活する人間が、
いわゆる“一般市民”なんでしょう。

善悪は、表裏一体と言うより、一心同体。
表裏“同”体という方が、イメージに近いかな。

タイトルの『誰も守れない』も、『誰も守ってくれない』も、
勝浦を表している言葉でした。


ここからは少し余談ですが、この映画を見た知人と話しました。

自分の状況を嘆く、加害者の妹である沙織の態度に、
知人は納得しなかったようで、加害者の妹なら、
自分の状況を嘆くよりも、被害者に頭を下げる態度が 「 当然 」 という論調です。

知人は、ホンの1分前に勝浦の「人の痛み~」というセリフを、
肯定する熱弁を奮っていました。

・・・映画を見ても、意味がねぇ~w

ネットで煽る人は、知人の様にネットで煽る行為を非難しつつも、
自分が煽る行為をした時は、正当であると思っているんだろうなぁ。

・・・まったく、背筋が凍るぜ。
自分も気をつけよ。


脱、本広演出の意味が分かっていない●容疑者 室井慎次

君塚良一の習作●MAKOTO

悲劇の中でも恵まれた事件●手紙

好奇心は猫をも殺す●ブラックサイト


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テーマ : 考えさせられた映画 - ジャンル : 映画

02:17  |  『 タ 』 映画  |  TB(7)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

●こんにちは♪

ドラマ&映画でこのような重厚な作品が出来上がっているとは嬉しいですね。
善悪はまさに一心同体だと思いました。

三島の、すぐにどこでも開けるクセはどういうことなのだろう?と思っていたのですが、
>ネットの向こう側にいる悪意の無い、単なる好奇心の延長である人間を描いたもの
Prismさんのこの言葉でなるほど~と思いました。

ブロガーの間で散々な「7つの贈り物」の感想もお聞きしてみたいです(笑)
ミチ | 2009.02.27(金) 10:28 | URL | コメント編集

●Re: ミチさん

こんにちは。

> 三島の、すぐにどこでも開けるクセはどういうことなのだろう?と思っていたのですが、
> >ネットの向こう側にいる悪意の無い、単なる好奇心の延長である人間を描いたもの
> Prismさんのこの言葉でなるほど~と思いました。

2つの話を繋ぐブリッジとして、君塚良一は出し所に苦慮していたと思います。
本来なら、『誰も守ってくれない』で、もう少し出したかったけど、
出せる所が冒頭しか無かったというか・・・。

元々、勝浦にさせるクセだったけど、話の展開上、不都合が出てくるので、
三島と言うキャラクターを作ったと思います。

> ブロガーの間で散々な「7つの贈り物」の感想もお聞きしてみたいです(笑)

いやぁ~、ミチさんのレビューを読んだら、DVD待ち確定です。
・・・DVDスルーもありえるかな?w
というか、予想通りのオチ過ぎてビックリです。
Prism | 2009.02.27(金) 16:38 | URL | コメント編集

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誰も守ってくれない

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2009/10/12(月) 11:28:08 | 映画、言いたい放題!

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