2008.11/07(Fri)
ご臨終の場に、ブラック・ジャックは必要ない●僕の彼女はサイボーグ
その涙、その微笑み、その勇気は…
愛なのか、プログラムなのか。 ――― (公式キャッチコピー)

『僕の彼女はサイボーグ』
僕の彼女はサイボーグ - goo 映画
20歳の誕生日、祝ってくれる友達もいないジローは、街で“彼女”と出会う。
最高に楽しい一日を過ごすが、誕生日が終わる頃、彼女は姿を消してしまい、
それから会うことはなかった。
1年が過ぎ、去年と同じように一人で誕生日を祝っているジローの前に、“彼女”は現れた。
必ずまた会えると信じていたジローは喜ぶが、再会した彼女は何だか去年と違うような…。
実は、“彼女”は未来から送り込まれたサイボーグだったのだ!
監督・脚本
クァク・ジェヨン
出演
綾瀬はるか
小出恵介
桐谷健太
田口浩正
吉高由里子
新作コーナーで、一つだけ残っていたので借りてみました。
たくさん残っていても借りない事も多いのに、人間の心理とは不思議なものだw
映画の内容は、思いつきの勢いのまま、作品にしてしまったというのが最初の印象。
『ネクスト』と同じ様に、時間軸が前後する作品なので、人によっては少し混乱するかも。
◆以下の文章には、『僕の彼女はサイボーグ』のネタバレを含みます。
映画は主人公のジローが、不思議な女の子と出逢う所から始まります。
でも、映画をラストまで観た上で説明するとしたら、
未来人の彼女が、自分そっくりのロボットと出会う所から始まります。
未来人はロボットの記憶チップを自分に転送して、ロボットとジローの思い出を、
自分の思い出にします。
未来人はジローに会いたくて、時間旅行でジローに会いに行きます。
これが、映画で冒頭に流れる、ジローの誕生日に未来人の彼女と出逢うシーン。
誕生日の終わりに、未来人は元彼への愚痴を装ってジローを責めます。
未来人がジローを責めた理由は、映画の終盤で明かされ、
ジローは未来人と別れた一年後に、未来人の姿をしたロボットと付き合い出し、
付き合っている中でロボットをなじった未来のジローの事を、現在のジローに責めている訳です。
なぜなら、未来人にはロボットとしてジローと付き合った記憶があるから。
ジローは一年後の誕生日に、未来人との不思議な出会いを期待して、
去年と同じ店に行き、銃乱射事件に巻き込まれ、半身不随になってしまいます。
しかし、ロトくじが当たったジローは、未来人の事が忘れられないから、
未来人そっくりのロボットを作り、未来人との再会を期待して、
銃乱射事件に巻き込まれた過去の自分に、未来からロボットを送ります。
だから一年後にジローと会う彼女は、未来のジローが自分で作って、
銃乱射事件を回避する為に、過去の自分に送ったロボットであって、
未来人ではありません。
銃乱射事件を回避して、過去のジローはロボットとの生活に幸せを感じるものの、
物足りなさを感じて、ヤキモチを焼かせるつもりが、自分がヤキモチを焼いてしまい、
ロボットを責めます。
これが、ロボットの記憶を持った未来人が、ジローを責めたやり取り。
ロボットと決別した後に大地震が発生して、
ジローは間一髪のところをロボットに助けられますが、ロボットは死亡します。
ロボットの亡骸を抱えてジローが泣いている所へ、
ジローの事が忘れられない未来人が現れ、ハッピーエンドを感じさせて幕。
・・・う~ん。
コレね、「ロボットに人間の心が宿る」というより、
「人間の方が、ロボットの心を持ってしまった」と言った方が正しい様な気がします。
人間の記憶をロボットに・・・というのは、
観客の中に、ファンタジーとして成立して欲しい願望があるけど、
ロボットの記憶を自分の記憶に・・・って、無理でしょ?
物語としても感情移入が難いかな。
相原コージの4コマ漫画、『コージ苑』に、病室で患者が亡くなり、
遺族が泣いている所に、天才外科医(ブラック・ジャック的風貌)が現れて患者の命を救い、
患者も遺族もバツが悪いという作品があったと思いますが、
『僕の彼女はサイボーグ』のラストは、ハッピーエンドより、
観客には気持ちの混乱の方が強い様な気がします。
ジローのペットのトカゲを鍋にして、ジローに食べさせてしまうエピソードは、
生物に対しての扱いが分からないロボットのエピソードとして入れたつもりだとは思いますが、
その後の伏線でもない上に、ブラックコメディの映画でもないから、
必要なかったような気がします。
力の加減が分からず、ゲロを吐いたジローの背中をさするシーンも、
『猟奇的な彼女』を意識して入れたのかもしれないけど、
違うアプローチの方が良かったかも。
時間旅行作品には、タイムパラドックスを突っ込んでも仕方ないとは思いますので、
タイムパラドックスに関しては別に良いとして、
演出面での時代考証など、ツッコミ所はチラホラ。
小出恵介に、過剰に情けない男を演じさせる必要があったのかと言われると、
若干、疑問も・・・。
でも、綾瀬はるかのアイドル映画としては、色々な衣装で可愛かったし、
及第点じゃないかな。
とはいえ、テレビ放映まで待っても十分な作品でした。
白磁の皿は、100円ショップに置いてはいけない●ネクスト
愛なのか、プログラムなのか。 ――― (公式キャッチコピー)

『僕の彼女はサイボーグ』
僕の彼女はサイボーグ - goo 映画
20歳の誕生日、祝ってくれる友達もいないジローは、街で“彼女”と出会う。
最高に楽しい一日を過ごすが、誕生日が終わる頃、彼女は姿を消してしまい、
それから会うことはなかった。
1年が過ぎ、去年と同じように一人で誕生日を祝っているジローの前に、“彼女”は現れた。
必ずまた会えると信じていたジローは喜ぶが、再会した彼女は何だか去年と違うような…。
実は、“彼女”は未来から送り込まれたサイボーグだったのだ!
監督・脚本
クァク・ジェヨン
出演
綾瀬はるか
小出恵介
桐谷健太
田口浩正
吉高由里子
【More・・・】
観ようと思っていた『僕の彼女はサイボーグ』が、新作コーナーで、一つだけ残っていたので借りてみました。
たくさん残っていても借りない事も多いのに、人間の心理とは不思議なものだw
映画の内容は、思いつきの勢いのまま、作品にしてしまったというのが最初の印象。
『ネクスト』と同じ様に、時間軸が前後する作品なので、人によっては少し混乱するかも。
◆以下の文章には、『僕の彼女はサイボーグ』のネタバレを含みます。
映画は主人公のジローが、不思議な女の子と出逢う所から始まります。
でも、映画をラストまで観た上で説明するとしたら、
未来人の彼女が、自分そっくりのロボットと出会う所から始まります。
未来人はロボットの記憶チップを自分に転送して、ロボットとジローの思い出を、
自分の思い出にします。
未来人はジローに会いたくて、時間旅行でジローに会いに行きます。
これが、映画で冒頭に流れる、ジローの誕生日に未来人の彼女と出逢うシーン。
誕生日の終わりに、未来人は元彼への愚痴を装ってジローを責めます。
未来人がジローを責めた理由は、映画の終盤で明かされ、
ジローは未来人と別れた一年後に、未来人の姿をしたロボットと付き合い出し、
付き合っている中でロボットをなじった未来のジローの事を、現在のジローに責めている訳です。
なぜなら、未来人にはロボットとしてジローと付き合った記憶があるから。
ジローは一年後の誕生日に、未来人との不思議な出会いを期待して、
去年と同じ店に行き、銃乱射事件に巻き込まれ、半身不随になってしまいます。
しかし、ロトくじが当たったジローは、未来人の事が忘れられないから、
未来人そっくりのロボットを作り、未来人との再会を期待して、
銃乱射事件に巻き込まれた過去の自分に、未来からロボットを送ります。
だから一年後にジローと会う彼女は、未来のジローが自分で作って、
銃乱射事件を回避する為に、過去の自分に送ったロボットであって、
未来人ではありません。
銃乱射事件を回避して、過去のジローはロボットとの生活に幸せを感じるものの、
物足りなさを感じて、ヤキモチを焼かせるつもりが、自分がヤキモチを焼いてしまい、
ロボットを責めます。
これが、ロボットの記憶を持った未来人が、ジローを責めたやり取り。
ロボットと決別した後に大地震が発生して、
ジローは間一髪のところをロボットに助けられますが、ロボットは死亡します。
ロボットの亡骸を抱えてジローが泣いている所へ、
ジローの事が忘れられない未来人が現れ、ハッピーエンドを感じさせて幕。
・・・う~ん。
コレね、「ロボットに人間の心が宿る」というより、
「人間の方が、ロボットの心を持ってしまった」と言った方が正しい様な気がします。
人間の記憶をロボットに・・・というのは、
観客の中に、ファンタジーとして成立して欲しい願望があるけど、
ロボットの記憶を自分の記憶に・・・って、無理でしょ?
物語としても感情移入が難いかな。
相原コージの4コマ漫画、『コージ苑』に、病室で患者が亡くなり、
遺族が泣いている所に、天才外科医(ブラック・ジャック的風貌)が現れて患者の命を救い、
患者も遺族もバツが悪いという作品があったと思いますが、
『僕の彼女はサイボーグ』のラストは、ハッピーエンドより、
観客には気持ちの混乱の方が強い様な気がします。
ジローのペットのトカゲを鍋にして、ジローに食べさせてしまうエピソードは、
生物に対しての扱いが分からないロボットのエピソードとして入れたつもりだとは思いますが、
その後の伏線でもない上に、ブラックコメディの映画でもないから、
必要なかったような気がします。
力の加減が分からず、ゲロを吐いたジローの背中をさするシーンも、
『猟奇的な彼女』を意識して入れたのかもしれないけど、
違うアプローチの方が良かったかも。
時間旅行作品には、タイムパラドックスを突っ込んでも仕方ないとは思いますので、
タイムパラドックスに関しては別に良いとして、
演出面での時代考証など、ツッコミ所はチラホラ。
小出恵介に、過剰に情けない男を演じさせる必要があったのかと言われると、
若干、疑問も・・・。
でも、綾瀬はるかのアイドル映画としては、色々な衣装で可愛かったし、
及第点じゃないかな。
とはいえ、テレビ放映まで待っても十分な作品でした。
白磁の皿は、100円ショップに置いてはいけない●ネクスト
- 関連記事
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
韓国のクァク・ジェヨン(クァク・チェヨン)監督(「猟奇的な彼女」)が日本映画として撮った作品。この映画を劇場で観ていないのはアイドル色などを前面に出して宣伝していたのに加えB級ぽいニュアンスなのか判然とせずイメージ仕切れずに観にいってどうかというのと、...
2009/02/22(日) 02:20:42 | しぇんて的風来坊ブログ
小出恵介を「キョヌ」にするな~~!~「僕の彼女はサイボーグ」~
未来の自分が、過去の自分を救うために いや、未来の自分がこんなふうにならないために キュートなサイボーグを送り込んだ。 でも、当然歴史を変えちゃった反動はくるからと 予言したとおり倍返しの命の危険にさらされて・・・。 モデルは綾波レイかよ?! あの髪型、あ
2008/11/09(日) 00:23:01 | ペパーミントの魔術師
「猟奇的な彼女」、「僕の彼女を紹介します」のクァク・ジェヨン監督による日本映画。
遠い未来からやってきたサイボーグの彼女と、ダメ男の...
2008/11/08(土) 13:58:24 | ノラネコの呑んで観るシネマ
あんた、バカぁ?
2008/11/08(土) 11:37:23 | ネタバレ映画館
ラブストーリーなの?
2008/11/08(土) 10:17:38 | Akira\'s VOICE
クァク・ジェヨン監督の記念すべき日本進出第一作目。前から漠然とだけどこの監督は日本の制作環境のほうが合ってるような気がしてました。だってクァク・ジェヨン監督ってアイデアは多彩なわりにやりたいこと何でもやり過ぎてまとまりがなくなっちゃうから、多少制約がか...
2008/11/07(金) 23:17:46 | カノンな日々
| BLOGTOP |