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2008.07/18(Fri)

犯罪を犯すのは、鬼でも悪魔でもない●あなたに不利な証拠として

犯人は人間。


『Anything You Say Can And Will Be Used Against You』

『あなたに不利な証拠として』 ハヤカワ・ミステリ文庫 公式HP

警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、
彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。
何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。

怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。
だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。

マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。
それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…。

MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、
男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。

アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。

著:ローリー・リン・ドラモンド

【More・・・】

ハヤカワ・ミステリ文庫から出ていますが、謎解き等はありません。

何れの話も女性警官が主人公で、理不尽な現場で折り合いを付けながら生きる彼女達を、
タイトルにもなっている杓子定規な「ミランダ警告」になぞられて、
軽い侮蔑の意味を含んだシニカルではなく、アイロニカルに描いています。

「完全」・・・銃を持っている被疑者を射殺した後の話。

「味、感触、視覚、音、匂い」・・・死体の猛烈な死臭が、身体から消えない話。

「キャサリンへの挽歌」・・・夫婦の警察官が、それぞれ殉職する話。

「場所」・・・若者の無残な交通事故を処理する警察官が、自分も交通事故に遭った事で辞職する話。

「傷痕」・・・6年前の事件の再調査請求を受ける話。

「生きている死者」・・・何も持たない相手を、誤射で殺してしまった話。

「わたしがいた場所」・・・ある事件の後遺症で、警察と言う職から逃げ出す女性の話。

目を背けたくなる様な現場の様子を、リアリティを感じさせながらも、淡々と語る文体は、
元警官である筆者の実体験から生まれた物だと思いますが、非日常が日常に変わる事の麻痺を、
疑似体験している感覚になります。
そして、最後の「わたしがいた場所」によって、正義の意味を考えてしまいます。

娯楽色の薄い作品ですので、万人に受け入れられとは思いませんが、
興味がある方は一度読んでみてください。

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