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2008.06/24(Tue)

木を見て森を見ず●椿 三十郎 (2007)

局地的な演出。


『椿 三十郎』

椿三十郎 - goo 映画

深夜の社殿の中で、井坂伊織ら9人の侍が上役の汚職を暴き出そうと密談していた。
意気が上がる若侍たちの前に社殿の奥から1人の浪人が現れた。

粗末な身なりに口も悪く、腹が減っていると見える。
しかし、話を聞くうちに、井坂は浪人に類のない頭の切れを感じ、仲間に加わって欲しいと頼む。

反対する侍もいたが、井坂は三十郎と名乗るその素浪人にえもいわれぬ魅力を感じていた…。

製作総指揮:角川春樹
監督:森田芳光

出演:織田裕二 豊川悦司 松山ケンイチ 鈴木 杏 村川絵梨 佐々木蔵之介 林 剛史 
一太郎 粕谷吉洋 富川一人  戸谷公人 鈴木亮平 小林裕吉 中山卓也 風間杜夫 
西岡馬 小林稔侍 中村玉緒 藤田まこと

原作:山本周五郎「日日平安」(ハルキ文庫刊)
脚本:菊島隆三・小国英雄・黒澤明
音楽:大島ミチル

【More・・・】

「あ~、こうしたんだ・・・」というのが、最初の感想。

笑えるシーンは、リメイク版で追加になったと勘違いされる人もいるようですが、
セリフのやり取りはオリジナル版と同じです。

ただオリジナル版では、襖に書かれた「の」の字を指でなぞる演出が、
リメイク版では碁石の蓋を指で回す演出になっていたり、
若干、演出を変えてある場面もあります。

今回、森田監督が考えた椿 三十郎の人物像は、オリジナル版のカリスマ無頼漢から、
リメイク版は親しみやすいリーダー像に変えたみたいです。

しかし、「親しみやすさ」とは、劇中で椿 三十郎を評する、
「良い刀だけど、鞘に収まらないギラついた抜き身の刀」とは、相容れない存在。

劇中、若侍が「ありゃ、化け物だぞ!」というセリフも、
三船オリジナル版の、近寄りがたいカリスマ無頼漢だからこそ、
観客の心情を若侍に言わせる事によって生きるセリフです。

織田リメイク版では、観客は織田に対して監督の狙い通り、
親しみ易さを感じてしまう為に、「ありゃ、化け物だぞ!」というセリフも浮き気味で、
大げさな若侍という印象になってしまいます。

三船の為に書き直された、オリジナル版の脚本をそのまま使うのであれば、
織田に中途半端な三船のマネじゃなく、完全コピーをさせた方が良かった様な気がします。
でも、織田が嫌がる可能性大&完全コピーはつまらないけどw

或いは、原作に近い三船の前にキャスティングされた、
フランキー堺(『東京タワー』のリリーフランキーではありません)版の主人公を目指して、
織田の為に書き直した方が良かった様に思います。
でも、踊る大捜査線の青島みたいで、織田が嫌がる可能性大w

『椿 三十郎』には、『用心棒』と違って笑えるシーンがあるのも、
実は、当初キャスティングされていた、フランキー堺版、
『椿 三十郎』脚本の名残と言われています。

だから、踊る大捜査線の青島風にリメイクしても、そんなに間違ったリメイクではないんですよね。

リメイク版の殺陣は、オリジナル版とは違い、少し生々しい音を使っていて、
爽快感よりも痛みを表現していると思うけど、痛みを表現するとしたら、ラストの対決は、
もっと生々しくするべきだったかも。

例えば、あえて黒澤版と同じラストにして、織田に返り血を浴びせ、若い侍に「お見事!」と言われ、
血まみれの顔で、「馬鹿野郎!」と返す方が、同じラストであるにも関わらず、
殺陣で暴力には痛みが伴う事を表現した、森田版『椿 三十郎』として評価されたような気がします。

◆オリジナル版の流れ
孤高のカリスマ侍(近寄り難い) → 爽快でカッコイイ殺陣(真似できない) →
ラストの対決(息を呑む一閃) → 「お見事!」(尊敬の念) →
「馬鹿野郎!」(自分達は踏み込んでいけない領域) → ニヒルに「あばよ」(カッコイイ)

◆「親しみやすいリーダー」と、「人を斬る痛み」を表現する事を目指した、森田版のラスト。
世話をしてくれる侍(親しみやすい) → 生々しい殺陣(ちょっとカッコイイ) →
ラストの対決(勝ったからOK) → 「お見事!」(やりましたね!) →
「馬鹿野郎!」(そんなに怒らなくても・・・) →
笑みを浮かべ「あばよ」(なんだか良い格好しいの自己中・・・?)

・・・と、現代のリーダー像として観客に共感を得やすくする為に、
「親しみやすさ」を打ち出した、性格付けの弊害が、ラストに響いてきます。

◆「親しみやすいリーダー」と、「人を斬る痛み」を表現する事を目指した、Prism版ラスト。
世話をしてくれる侍(親しみやすい) → 生々しい殺陣(ちょっとカッコイイ) →
ラストの対決(息を呑む一閃) → 「お見事!」(やりましたね!) →
顔にも血がかかり、血まみれの姿で「馬鹿野郎!」(暴力を肯定しそうな気持ちを否定) →
自分で暴力を否定しても、自分は暴力でしか生きられない事に対して、自嘲気味に「あばよ」
(哀愁を感じさせるラスト)

批評するのは簡単だから、森田監督が目指した私なりのラストを書いてみたけど、
やっぱり「生々しい痛み」を出すと、娯楽色が薄くなってしまうw
・・・というより織田が、ラストシーンで自分が血まみれとか、泥まみれとかは、
絶対にしないだろうけどw

中途半端にオリジナル版を変える位なら割り切って、
新しい森田版、『椿 三十郎』を作った方が良かったんじゃないかな?

オリジナル版を知らない人には満足の出来でも、オリジナル版を知っている人にとっては、
どっちつかずで、踏み込みの甘い作品。

ただ、ベテラン森田監督が撮っているから厳しいのであって、
新人監督が撮っていたとしたら、自分は誉めていました。

だから、オリジナル版を知らない人がリメイク版を絶賛しても、納得は出来ます。

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