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2006.01/06(Fri)

アメリカ以外の人が、カタルシスを得る事は難しい●マジェスティック

アメリカの歴史には、共産主義者は基より、共産主義の疑いが有るだけで、
当時、共産主義だったソビエト連邦(現在のロシア)の国旗の色である“赤”を、
共産主義を象徴する色とし、「赤狩り」と呼ばれる理不尽な弾圧や、
思想統制をしていたという事実を、「知っている」 → 「理解している」 → 「実感している」で、
感じ方がまったく変わる映画。

TheMajestic01.jpg

主演はジム・キャリー。
監督は『ショーシャンクの空に』や、『グリーン・マイル』のフランク・ダラホン。

舞台は、1951年のハリウッド。
ジム・キャリー演じる主人公、ピーター・アプルトンは新進脚本家。
重役の安っぽい、浅い考えに反対出来ぬまま、要求された通りの脚本を書いている。
本人としては不本意な脚本を書いていても、有名女優と付き合う事ができ、
それなりに満たされた生活を送っている。

ある日、ピーターは非米活動委員会の呼び出しを受け、慌てて荷物をまとめ逃走を図る。
ところが、動揺しているピーターは、車で逃走中に事故を起こし、橋から落ちて記憶を失う。

目が覚めると記憶を失っていて、近くのローソンという田舎町に辿り着くと、
村人から「ルーク」と呼ばれる。
「ルーク」は、戦争に行った村の英雄だった。
記憶を失っているピーターは、ルークとして村に滞在する事になる。
ピーターはルークの父親に会って、今は閉鎖している、
「マジェスティック(意味:堂々とした)」という名の、劇場の再建を目指すのだが・・・。

【More・・・】

政府が一般市民に対して、思想統制を行う場合、一番効果的な相手は、
ハリウッドの有名人を告発する事だった為に、多くのハリウッドの役者や、監督、脚本家などが、
理不尽な弾圧を受けました。

当時、非米活動委員会の呼び出しを受けた人は、呼び出しを受けた時点で、
共産主義に対する批判的な偏見を受け、実際に、本人が共産主義で有ろうが、無かろうが、
ハリウッドでの仕事は無くなるという現状でした。

共産主義だと認め、「私は誤った考えをしていました。今後は改心します」と宣言しても、
開放された後、元共産主義思想者という評価を下された人間が、職場復帰をしようとしても、
元の職場に仕事は無く、働いても冷遇されたり、他の仕事に転職するしかりませんでした。

奇跡的に職場復帰が出来た人間がいても、実は、非米活動家を探す手助けをさせられていました。
「手助け」と言うと、響きは良いですが、解り易く言うなら「密告者」となって、知り合いや友達、
親友と呼べる人間や、家族までも、政府に「売る」事をさせられる訳です。

「赤狩り」は、華やかなハリウッドの歴史の中で暗部として存在し、
監督エリア・カザンは、1952年当時、自分が助かる為に多くの友人や知り合いを密告していた為、
1999年、第70回のアカデミー賞で特別賞を受賞したものの、会場の外ではデモが起き、
本来、全員がスタンディング・オベーションで祝福する様な賞であるにもかかわらず、
約半数が座ったままでした。

エリア・カザンが密告した、通称「ハリウッド・テン」と呼ばれる10人は、
何れの人物も、とても才能豊かな人達で、その後も偽名で創作した作品が、
アカデミー賞にノミネートされたり、アカデミー脚本賞を受賞するも、偽名の為、
会場に姿を現せないような境遇に追いやられていました。

エリア・カザンが名監督であっても、追放した10人がハリウッドにいたら、10人いる訳だから、
少なくともエリア・カザンの10倍の功績が、ハリウッドの歴史を彩る筈だった訳です。

自分が助かる為に、才能豊かな人達を陥れた、エリア・カザンに非難の声が上がっても、
無理は有りません。

映画に話を戻しますが、つまり『マジェスティック』のラストは、
アメリカの国民として「赤狩り」の歴史という、バック・ボーンがあるからこそ栄えるシーンであって、
「赤狩り」の歴史を「知っている」程度の人が見た場合、ルークの手紙を引用したピーターの発言は、
取ってつけたように映ってしまい、感情移入というカタルシスを得る事は難しいかも知れません。

ラストでルーク本人が、非米活動委員会へ主張する様な話であったとしたら、
感情移入をする事は、もっと容易であった様な気がします。

ただ、「赤狩り」のバック・ボーンを持っている人にとっては、ピーターの公聴会での発言は、
もう映画の内容から離れて、アメリカ国民としての代弁者の様に映り、
カタルシスを得る事が出来ると思われます。

ラストで、ルーク本人が主張する様な、カタルシスが得たい人には、
こちらの映画をお勧めします。

GuiltyBySuspicion01.jpg

『真実の瞬間』
主演は、ロバート・デ・ニーロ。
共演は、アネット・ベニング。

「赤狩り」を正面から捉えた、考えさせられる映画です。

どちらかと言うと、「考えさせられる」映画だった筈ですが、日本の配給会社が、
「赤狩り」では客が入らないと判断して、「感動娯楽大作」という宣伝路線を取った様子は、
海外版のポスターからも判断できます。

TheMajestic02.jpg

ジム・キャリーの向こうに見える人達は、「赤狩り」をイメージしている上に、
ヒロインの服装も地味です。
日本版ポスターの、ヒロインに華やかな服装を着せて、
ジム・キャリーを迎えている村人達を配置した方が、日本人向けなんでしょう。

TheMajestic03.jpg

『マジェスティック』のタイトルは、ブラジル版の『CINE MAJESTIC』の方が、
脚本家、劇場、ハリウッドを意味する「CINEMA」と、
劇場の名、アメリカ国民が赤狩りに対する姿勢、仕事に対する姿勢が掛かっている、
「MAJESTIC」を上手く融合させていて、ずっと良いと思う。

TheMajestic04.jpg

おまけで、ドイツ版のDVDパッケージも載せておきます。

TheMajestic05.jpg
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02:17  |  『 マ 』 映画  |  TB(10)  |  CM(11)  |  EDIT  |  Top↑

●明けましておめでとうございます^^

今年1コ目のコメなので。笑

国によって作るポスターがだいぶ違うのですね~☆おもしろーい
コレ観てないんですけど^^ちょっと観たくなってきました♪
優有 | 2006.01.06(金) 19:32 | URL | コメント編集

トラックバックありがとうございます。
勉強になりました。
dustsign | 2006.01.07(土) 09:22 | URL | コメント編集

●>コメント返信

>優有さん
明けまして、おめでとうございます。
年明けの返信なので(笑)

基本は、背を向けたポスターがですが、サブ・デザインとして、数種類あるようです。
ドイツのDVDと、アメリカのDVDは同じデザインですが、
画質の良い物が見つからなかったので、ドイツ版をアップしました。

絶賛でも、酷評でも、観た時はTBしてくださいね。

>dustsignさん

古い映画ですが、ジム・キャリーのファンには好評な作品みたいですね。
また、覗いてください。
Prism | 2006.01.07(土) 23:12 | URL | コメント編集

●トラバありがとうございます

トラックバックありがとうございました。

なかなか、骨太な感想ですね。
観たのは大分前ですが、同じようなことを考えながら観てました。

もっと考えさせられる内容だったら良かったのに、と思いますが、
色々難しいのでしょうか・・・
むらさきねこ | 2006.01.11(水) 23:38 | URL | コメント編集

●>コメント返信

>むらさきねこさん
やはり、ハリウッドの暗部は、触れる事がタブー視されているようです。
当時の「赤狩り」に参加した映画人は、現在、重役クラスになっていると思いますので、
なお更、触れられる事は無さそうですね。
そういう意味では、興行成績という実績を、前2作で上げて、「赤狩り」をテーマに取り上げたのは、勇気のある行動だと思います。
『マジェスティック』のテーマが、「勇気」だったと思いますから、文字通り、勇気を出したのかもしれません。
個人的には、『ショーシャンクの空に』の方が、好みなんですけどね(笑)
Prism | 2006.01.13(金) 00:43 | URL | コメント編集

●こんばんは!

こんばんは!TBサンクスです♪
エリア・カザンの話しはしらんかったです。歴史を実感できる人が見たらもっと別の意味の感情もあるでしょうねぇ。

『真実の瞬間』って未見なので、今度見てみますー。
んじゃまたっ!
goma | 2006.01.23(月) 21:51 | URL | コメント編集

●おじゃましま~す

コバワ~ 夜分おじゃまします。
TB どうもありがとうございました。 こちらからも TBさせて頂きましたよ~
ところでっ
わたくしジム・キャリー好き と致しましては 深く洞察して頂きまして本当に嬉しい限りでございます。
エリア・カザンの事は某所で拝見して知っていましたが こちらへおじゃまして またまた知識が深まりました。
ありがとうございます。
rabyrinth | 2006.01.24(火) 00:26 | URL | コメント編集

●ジム・キャリーが出ていることで

こんにちは。
ジム・キャリーが出ている事で、真面目な話だと思わずに見たのですが、意外なアメリカの歴史に触れることが出来ました。
もう少し予備知識を持ってから見ればよかったかな??
他に勧められている映画も見てみようと思います。

こちらからもTBさせていただきますネ
chibisaru | 2006.01.24(火) 12:03 | URL | コメント編集

●>コメント返信

>gomaさん
『真実の瞬間』は、色々考えさせられる映画です。
気が向いたら、観てみると良いと思います。

>rabyrinthさん
ジム・キャリーは、芸達者ですよね。
『エターナル・サンシャイン』の演技は最高でした。

>chibisaruさん
中々、『赤狩り』を題材にした作品は無いですから、予備知識が無くても仕方ないと思いますよ。
また、気が向いたら覗いてくださいね。
Prism | 2006.01.25(水) 02:27 | URL | コメント編集

☆Prismさま
ジムキャリーの百面相が見られないけれど
いい表情がいっぱい見られましたね。
こういう彼もいいですね。

TB返ししていただいたのに、
できなかったようで、お手間取らせました。
アメブロの不具合だと思われます。
ユカリーヌ(月影の舞) | 2006.03.02(木) 16:37 | URL | コメント編集

●>コメント返信

>ユカリーヌ(月影の舞)
ジム・キャリーは名優だと思います。
TBは、ブログ同士の相性や、時間帯もあるようですね。
TBだけじゃなく、わざわざコメントまでありがとうございます(笑)
Prism | 2006.03.05(日) 03:06 | URL | コメント編集

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